アジアにしのびよるテロの影と背景

アジアにおいて最近に起こった大きな事件として取分け衝撃的なものは2002年10月12日に起こったバリ島における爆破事件だ。ナイトクラブが爆破され202名が一度に無くなった。犯行は東南アジアに拠点を置くイスラム原理主義組織Jemaah Islamiya(JI)と言われている。

JIによるといわれる大きな事件に関する年表

    • 2002年 バリ島ナイトクラブ爆破事件
    • 2003年 ジャカルタのthe Marriott Hotel爆破事件
    • 2004年 オーストラリア大使館前で爆破事件
    • 2005年 バリ島レストラン爆破事件
    • 2006年 ?

JIはフィリピン南部およびタイの南部に拠点を置く。バリ島事件はニューヨークにおける同時多発テロ後に発生したテロに対するアメリカの強い姿勢もあり、ブッシュ大統領からテロ組織と名指しされている。一方で、毎年のように発生する事件の背景には、疑わしい段階で多くのJI幹部がアメリカの情報機関により拘束されていることも、要因にある。ブッシュ大統領によると拘束した17名のJI幹部のうち、3名が米国内での航空機を用いたテロの計画があったと自供したとしている。ただ、極度の尋問、あるいは拷問の上での自供である可能性も否定できず、実際には正否が検証できない。
テロ組織に対する捜査はもっぱら機密性が高い。機密性が高い必要があるため、具体的に非人道的な行いがなされていても一般には確認できない。現場で何が起こっているか。不明である。JIそのものも、必要に迫られて組織されたのなら設立理由があるはずだ。真実を確認する術が無い不可解さを極めるこの種の事件、事故、戦争の取り扱いは非常に難しい。実はフィリピン南部は長期に渡り泥沼の戦争状態であるのかも知れない。
ただ、どのような宗教を信仰しようとも、これは自由だ。ややともすると宗教が何をしても良いと捕らえかねないが、そうではない。宗教は生死を扱うことから、ややともすると間違った方向になりやすい。今後、益々宗教指導者は重要な役割を担うことになるだろう。

参考

Southeast Asia In the shadow of terror/Asia Times Online
http://www.atimes.com/atimes/Southeast_Asia/HI12Ae01.html
暴力のパターンなどについて詳しい。