浮世離れ

浮世離れした日々を過ごしている。続けて仕事を休んでいるためだ。ともなると、日々をどのように過ごすのかが問題になってくる。ところが、なにもすることがなくて困るといったことはホトンド無い。
朝は7時までに起き、午前に一時間、午後一時間歩くようにと産業医から言われている。このような訓練で、より円滑に復職できるらしい。一時間歩くには相当遠くまで歩かなければならない。JRの駅で一駅ぐらいか。
この徒歩の時間を使って図書館に行くようにしている。図書館では中高年が昼から沢山椅子に座っている。しかも背広を着た人々だ。夕方になるとそそくさと手元にあった新聞を片付けて帰って行く。最後まで残っている中高年は背広ではない。中には強い体臭を放つ人もいる。
天気の良い日に散歩することは気持ち良いし、人物観察をしてその人がどういう理由でここにいるのかを考えるのも面白い。暗くなれば家に帰る。だから、なにもすることがなくて困るといったことはホトンド無い。

日本語の作文技術 (朝日文庫)

日本語の作文技術 (朝日文庫)

わかり易い文章を書くための手引書だ。この本を読めば文章が上手になる気がする。これは本の内容に説得力があるためだ。さらにいうと、批判を恐れない筆者の姿勢からか、内容の主張が強い。そのため、読者はこの主張に洗脳され、文章が上手になる錯覚を起す。文章の書き方に関する部分以外でも、様々な主義主張が挿入されており、魔術はまるで波状攻撃のようだ。
大変参考になる内容であるのに、それ自体が強い主張の塊であるから読む側の批判を誘発する。結果として本書を批判したくなるのだが*1、それすらも望んでいるかのように感じられる強烈な作品。

*1:完全なものは無く、改善のみが残されているとすれば、批判無しに発展は望めないため、常に批判せざるを得ない −−−という考え方に基いて書いた。