歯周病予防
また歯医者に行った。軽度の虫歯治療と歯周病予防のためだ。
初めに歯周病予防の処置をしてもらった。歯周病は歯茎に起こり、歯周病菌が歯茎の骨を溶かすことで歯を支えるものが無くなるものだ。そのため、歯自体が虫歯でなくとも、歯が抜けることがある。このような説明を前回に受けていたので、今回は歯周病になりかかっている部分*1について、歯と歯茎の間のポットと呼ばれる部分から歯石を削り取る作業をしてもらった。歯茎にゼリー状の麻酔薬を塗り、全体の四分の一の歯について、削り取り作業をしてもらった。中々力の要る作業らしく、力を込めていないと、押し負けしそうになった。作業は看護師さんにしてもらった。
次に虫歯の治療をした。虫歯は上あご前歯2本の間に在り、その虫歯を削り取るのみの処置であれば、口を開くと前歯に穴が在ることになる。二度と口を開けられない恥ずかしい結果になるのではないかと緊張しつつ、治療に望んだ。虫歯の治療は予想通り該当部を削るものだった。さらに、樹脂を詰めてくれた。これにより、元通りの見栄えになった。医師や看護師は当然のごとく、削り口を埋めてくれたので、必要の無い心配をしたとつくづく思った。しかし、放置していれば、前歯の真ん中に大きな穴が出来ていただろう。
虫歯の治療、歯周病予防と両方をやったのだが、随分と歯に対してメンテナンスを心がけている気がする。病気療養中なので、ここで一気に治しておこうと思っているのだが、一生懸命に歯石を削る看護師さんを見ると、申し訳ない気もした。
2001年6月発行だから、介護保険制度が始まって1年経ったところでの『介護保険を問いなおす』だ。前半では介護保険制度・介護保険法成立までの流れが説明され、問題点が指摘されている。後半では介護保険の要である要介護認定、受益者負担とサービス利用状況、サービス供給側(労働力等)について問題点が列挙されている。
- 作者: 伊藤周平
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2001/06
- メディア: 新書
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介護保険制度について、様々な問題点をつついて周るような論調となっている。そのため、対案が章ごとに記されているが、なかなか説得力が無い。それは問題点が多く、どれかを選りすぐってシンプルに論理を組み立てる方式でないために、提示される対案がザックバランなものとなり、根拠が不明確であるからだ。
今となっては被保険者の要介護度が下がった場合の成功報酬など、本書に指摘された事項が現実に対応されているものも散見される。一方で、本書の内容はやや性急的な批判が多く、そのことが文面にもあらわれている。文章自体が非常に読みにくいのだ。たとえば177頁、7行目から、そもそも、サービスの利用者である高齢者は、体調が不安定なため、日程の変更や急な入院などは日常茶飯時で、計画どおりにサービスが提供されない場合が多い。それに加えて、介護報酬では、地域だけでなく、人員配置や時間帯などに応じて、さまざまな加算があるために、ケアマネジャーは、サービスの変更のたびに、ケアプランや給付管理票のつくりかえをしなくてはならない。
と書かれているが、句点の数が多すぎる。「それに加えて」以降は、地域加算や人員配置による加算についても記載されているが、文脈上は必要無い。必要無いが著者に知識があるために、これらが、一気加勢に文章に挿入され、折角の論理性が薄くなっている。そのことが、内容にまで波及し、読者は難しいと感じてしまう。*2
しかし、本書のような指摘を世に送り出すことは非常に重要だと考える。どのような主義主張であれ、論理矛盾が含まれていようと、あたってみなければ現実がわからない。今とは様相が違う時点の内容であるが、介護保険制度の根幹が何かが良くわかる作品だ。