続・集団療法
自分自身何に病んでいるのかを確認することが集団療法への参加だ。参加することにより、他の患者さんとのふれ合いから自分の症状は比較的軽い気がしている。ただ、最近読んだ『医療・福祉の経済システム』では、QOLの説明で「一億総障害者」と言う言葉が出てくる。もちろん障害には生活機能障害もあれば精神障害もある。その重度(重篤度)は人により様々であり、自分自身もこの中にふくまれるのだと考える。糖尿病のように不治であり、今後死ぬまで付き合って行くものだと考えると、晴れ晴れとした気分になった。*1
『日本の医療』とされるといったい何が書かれているのだろうと思われるかもしれない。内容はアメリカにおける政策立案向けに日本の医療を紹介したものだ。よって、内容の多くは日本における政策・制度に関するものであり、日本人による独特の臨床現場が描かれたものではない。
- 作者: 池上直己,J.C.キャンベル,John Creighton Campbell
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1996/08/01
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
1996年発刊であるが、江戸時代の東洋医学に携わる薬師(くすし)から始まり、介護保険制度試案の成立前まで書かれている。非常に包括的なものでどうやって現在まで破滅せずに来たかを独自の視点で解説している。大局的な観点で記載されているので、詳しい事項を確認したい場合は本書から出発しても良い気がする。まさに歴史絵巻的なもので、非常に赤裸々に記載されているところもあり、毎月引き落とされる社会保険料について嬉しく思っていない人は一度読んでみたらどうかと思う。
*1:これは治癒を目指すタイプのものもあれば、治癒自体が目標で無いものもある。前者は傷病などの急性期疾患であり、後者には慢性的なもの、先天的なもの、環境的なものがある気がする。寧ろ後者の方を抱えている人が多いのではないかとも思う。本文中の一億総障害者は後者に属する人々のことであり、一般に連想される「政府が認定する障害者」に限ったものではない。