食逃げ?(中編)

そうこうしているうちに、注文の品が届き、食べ始めた。まばらにカウンターに座っている人たちもガツガツと食べている。昨今の冷え込みと年末の寂しさとは異なり、ここではカロリー摂取に必死なのだ。
気がつくとこちらをじろじろ見ていた男は外に出て自転車に乗り店前の駐車場を進み始めていた。時折振り向きながら雨の中、傘を右手に持っていた。最近良く見かける車輪の小さな自転車を蛇行しながらゆっくりと進み始めていた。
するとこれを見た女性店員が店内から駐車場に出て行き、「お客さーん!」と呼ぶ。すると、この男は自転車の向きを変え店に戻ってきた。

(次回に続く)

糖尿病の話 (ちくま新書)

糖尿病の話 (ちくま新書)

病理学的な観点から平易に説明した糖尿病の話。病気そのものの分類、発症原因、合併症の仕組みなどを説明した上で、予防・治療などにも言及する。筆者の主張は糖尿病そのものは現在(発刊当時)の技術では治癒できるものではなく、本来的には発症メカニズムが解明された上で予防・治療法を検討すべきなのだが、罹患者数が膨大であることからまずわかっている範囲で予防・治療を進めるべきとしている。現実問題そうなのだが、実のところ発症メカニズムは説が複数在る状態で、その遺伝的要因も無視できないことから、糖尿病を厳密に生活習慣のみによるものとは断定できないことを示唆している。ブドウ糖をエネルギーに変換するメカニズム、インスリンを分泌する膵臓のランゲルハンス島のβ細胞の解説、細小血管細胞の血管壁の梗塞メカニズムなど、非常に詳細でわかりやすい。ただ、『糖尿病食事療法のための食品交換表』(日本糖尿病学会編)が手元にないと読めない部分もあるので改善してもらいたい。推奨。