時間差

久しぶりに茨城時代の友人達に会った。余り変わった印象は無かったが、それぞれが様々な経験をしていた。昔の話はやはり面白い。もう随分前のことであるのに、つい先ほどの出来事のように思えた。10年後、死の直前も思い出すのだろうか。もし忘れているなら、忘れたことを容易く受け入れるだろう。忘れたことを認識できないからだ。会えたのは幸運だ。昔があって今があるのを認識できるからだ。一方で限りがあることに物悲しさを感じた。

セックスボランティア (新潮文庫)

セックスボランティア (新潮文庫)

社会との接触が少ないことで珠玉混合の情報から身を守ることができる。過保護な世界からの開放とともに、性欲の発散を知りそれを生きることの支えとする。生存する意味までを問う本作は非常に重厚だ。海外事例もあわせて考察する傑作。
患者よ、がんと闘うな (文春文庫)

患者よ、がんと闘うな (文春文庫)

がんが転移性のものであれば、がん早期発見時にはすでに転移は起こっている。EBMの中でもとりわけevidence levelが高いとされるくじ引き試験による結果を豊富に交え、そもそも病気というのは自然現象なのだから、治癒を積極的に目指すのではなく、残りの人生をいかに幸せに暮らすかが重要と説く。恐怖すら感じる作品。推奨。