呪縛と恋愛

生死をかける程の大恋愛をした経験がある人はどれほどいるのだろうか。個人的には、恋愛は思い込みのもたらすものだと信じている節があるため、そんなに熱することがもう何年も無い。大抵は別れが伴う恋愛はやがて冷めるのだろうから、ほどほどにしておいたほうが良いのではないかとも思う。相手が熱しているほど自分が冷めてしまうのもそのためかもしれない。一方で、周りが見えないほどの恋愛に落ちることほど不思議な現象はない。「女にうつつの逃す男はたいしたことはない。」とは言うが、その言葉どおりの現象がおきるからこのような言葉があるのだろう。一種の呪縛だ。ものすごい魅力を感じてそれにとり付かれることは、呪文に縛られているに等しい。また、呪文が解けないうちには、他の人の呪文にかかりにくいのかもしれない。そのためか、この呪文は恐ろしいもので、その人の人生を狂わす。世の中にはこのような呪縛にあっている人が多いのではないか。これは恋愛に限らず、思い込みという形で様々なところでその人自身の人生に強い力で作用する。ただ、恋愛の呪縛が一番強い。なぜなら、最もその人の生命が欲するものが恋愛なのだと思うからだ。恐ろしいものだが、それでも怖いものみたさに強烈な呪縛にあこがれるものなのかもしれない。人は悲愴なものだ。