古着マニア

「都内では、この値段ではないですよ。こういったものを専門においている店は知っているのですが、客層は親父だらけなんですよ。」
古着屋で店員と、客が話しをしていた。親父って、何人父親がいるのだと思いつつ聞いていないふりをして、Levi'sの1Stのレプリカが安いので購入すべきか否かを悩んだ。
店員は暫くその客と話をしていた。やがて仕入れの話題に移り、どこどこと「コラボ」だの、よくわからない話をしていた。
古着屋は好きだ。一着として同じ服はない。居るだけですぐに一時間は経ってしまう。やがて、ほとんどの服を見終わってまた、前に見た服を見ている。
最近は、丈の短いアウター(外套)が流行っているようで、長いものは安くなっていた。だいたい、古着は見て「良い!」と思っても、自分の丈と合わないことが多い。特にボトムスはよくある。無茶苦茶短いものや、米国辺りで買い付けたような、とても長いもの。
上着で面白いのは、ポケットに手を入れるとライターが入っていたり自転車の鍵を見つけたこともある。
誰かが昔着ていたのだろうけど、状態を良くみると、ほとんど着用されていないものもある。
前の使用者は様々だ。一方で軍ものは良く見る気がしない。以前購入したM65はかなりボロボロだった。理由をあまり創造したくなかった。店でよくあるのはかなり染みの着いた軍ものだ。何の染みかは想像するのも恐ろしい。
資源の再利用。安い。こういった観点から古着にあたるのも良い。また、人と違うカッコをしたいからというのも良い。リサイクルショップへ行くのと同じで、現在は発売されていない古いものを観たいのでも良い。
一つの店に置かれた商品に緋もづく人々はまさに様々。文化の集約とでも言うべき博物館なのだ。暫くすると暖かくなり、商品が入れ替わるだろうから、また、行きたい。でも、厚手のものが多い冬が一番楽しい。