天国と地獄

黒澤明の映画は良く観た。「七人の侍」などが代表作に挙がるが、個人的に好きな映画はこの「天国と地獄」だ。昭和初期の喧騒の中にあって、富裕層・貧困層が明確に分離されていた時代の話。話の内容自体は良くある誘拐の話なのだが、これにとどまらない。様々な意味が盛り込まれ作品を複雑に形成している。日本映画的といえばそうだが、少し陰鬱なものがある。ただ、映画は娯楽といった考え方があるのかして、非常に話のテンポが良く、観るものを飽きさせない。すばらしい作品。尚、列車から掛川の河川敷に投げ込まれる鞄は今では有名な吉田カバンが準備した小道具らしい。

天国と地獄 [DVD]

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