映画

ゴーゴリ

ゴーゴリが原作とは知らず、黒澤明の「どん底」を観た。凄い迫力で台詞が飛び交うのだが、何を言っているのかわからず、字幕付で観た。ゴーゴリといえば「外套」が有名だ。三等官の真面目な主人公が真冬に外套を追剥に搾取される話だ。非常に暗い話だが、本…

凄い刑事もの

「殺人の追憶」を観た。未だ犯人が確保されていない事件だけに恐ろしいものがあった。とは言うものの、観終わってその事実を知った。はじめはコメディタッチのところもあるが、中盤以降はグイグイと引き込まれる。 殺人の追憶 [DVD]出版社/メーカー: アミュ…

これはアクション映画か。

タランティーノ監督が推薦するカンヌグランプリ作品。正直、これだけで観てしまったのが映画「オールド・ボーイ」だ。 以前から、タランティーノ監督は残酷な描写を嗜好すると個人的に思っていた。案の定そうだった。目を背けたくなる場面が多い。また、この…

黄昏

映画「たそがれ清兵衛」を観た。「たそがれ」とは夕刻を指す。大辞林「三省堂」によると「夕方は人の姿が見分けにくく、「誰(た)そ彼(かれ)」とたずねるところから」とある。 実直に素朴に生きる主人公が向き合わなくてはならなくなる現実。封建制度の末期に…

民俗とは何か。

映画「神々の深き欲望」を観た。今村昌平監督作品。かなり、写実的というか、かなりアクの強い作品が多いが、本作品もその一つか。南の島における民俗を踏まえたもの。観ていて面白いが、すこし、押しが強すぎるのではと思う。少し不自然と感じるのも映画だ…

ロードムービー的なスタンスで観せない、つげ作品の奇怪な解釈

映画「蒸発旅日記」を観た。つげ義春は大変好きなので期待したが、冒頭から良くあるつげ義春解釈による映像が展開され、面食らった。しかし、観るに従い飽きさせない内容であることに気づく。結局、最後まで観てしまった。映画化は難しいと思えるこの作品を…

親の責任は何か。

映画「is A」を観た。Aとは犯罪を犯した少年のことを指す。 少年を取り巻く家庭環境や、犯罪の被害者、警察など、様々な関係者が出てくる。それぞれの思いが錯綜する一方で、少年の暴走は止まない。非常に重い内容で、ハリウッド映画では考えられない終り方…

悲しいできごとに肩をこわばらすのは、

囚人(prisoner)特有のものだ。 これは映画「ミスティック・リバー」にて娘が殺された父親が怒りに震えているのを観て担当刑事が言った言葉。 話の内容は、マンハッタン郊外の住宅地での事件に端を発した、関係者間の友情と裏切りの話。ミステリーであり、…

帰ってこい。

「笑の大学」を観た。うーん。こんなテーマがあるのか。 と思える作品。エンターテインメント的要素がかなり多く、純粋に楽しめる作品であるが、何かを比喩しているのだろうか。 舞台は第二次世界大戦中に劇の興行のため、役所に台本を携えて申請に来た劇団…

家族

山田洋次監督作品は好きだが、寅さんシリーズはどうもと言う人向け。 シリアスなタッチの映画もこの人はすばらしいと思っていた。以前、「息子」と言う映画を観たのだけど、こちらがナカナカ良かった。 この映画、昭和45年の作品とあって、当時の景色を目の…

溺れる人

うーん。始めは映像の前に居ることが苦になるかもしれない。そんな人は、少し辛抱してください。 それにしても、他人の生活を垣間見ている気がする。そんな映画。ただ、本質を射抜こうとする姿勢がうかがえる。落ち着いてみて下さい。 団地に住みたい! 溺れ…

蝶だらけ

映画『殺しの烙印』を観た。鈴木清順監督作品。主演は宍戸錠。DVDジャケットの真理アンヌがかわいいと思って借りたのがキッカケ。だが、かなり期待して観た。内容はかなり非日常的ではあるが、鈴木清順監督らしさをみることができた。話の内容はあまり複雑で…

映画「双生児」を観た。初めに圧倒されるのは、衣装に髪型、そして皆眉毛が無いこと。見るに従い、話の内容はわかる。ストーリーは分かりやすい。鈴木清純監督の影響もあるのだろうか。塚本晋也監督作品だと知り借りたのだが、塚本色は映像にでていた。良か…

自分の分身が見えたら死が近い

映画「ドッペルゲンガー」を観た。話の途中まではホラー映画かと思っていたが、やがて分身が人間味を帯びてきて少し滑稽でもあった。極度のストレスの中で自分の分身が見えてしまう主人公。暴力シーンはあまり描写が良くないと思ったが、ナカナカ楽しめる作…

一緒にいると退屈なんだ

「リプリー」を観た。少し手の込んだストーリーに乗って話は進む。比較的好きなCate Blanchettが出ていたので良かった。話の流れは勤労に励む若者には創造もつかない話。それだけで、余り親近感が沸かなかった。ただ、話は良くできているので良いかもしれな…

六月の蛇

大傑作!とイキナリいいたくなるような作品。 内容は相談所に勤める主人公の既婚女性が、全くもって関係ない男に追い回される話。全編モノクロ。全てがモノトーンで構成され、雨のシーンなどはアジアの映画である!といいたくなる湿気を感じられる。非常にき…

ほら、こうやって観るのですよ。

映画「ツィゴイネルワイゼン」を観た。 陸軍士官学校教授である主人公はなぜか旅に。旅先で漁師の女に手を出し、女は岬から投身自殺する。遺体が浜に打ち上げられたところに漁村の住人が集まっているところに主人公が寄りによって現れるところからこの映画は…

彼女の反応が無ければ諦めろ。

映画「2046」を観た。ウォンカーバイ監督作品。長い。心に残ったのは「彼女の反応が無ければ諦めろ。」。この監督、シナリオ無しで映画撮影に入るようだ。かなりアバンギャルドだと思う。だが後味は悪くない。妙な世界が繰り広げられ、日常では味わえない感…

天国と地獄

黒澤明の映画は良く観た。「七人の侍」などが代表作に挙がるが、個人的に好きな映画はこの「天国と地獄」だ。昭和初期の喧騒の中にあって、富裕層・貧困層が明確に分離されていた時代の話。話の内容自体は良くある誘拐の話なのだが、これにとどまらない。様…

美しい夏キリシマ

久しぶりに映画を見た。宮崎県の霧島が舞台の戦時中の人間ドラマ。主人公の少年は空襲による親友の爆死を目の当たりに。以後当地で療養生活に入る。。 戦中戦後の自然な姿を描いたものと思われる。地主と小作人の関係など時代考証もよくできており、死のシー…

張り込み

明らかに低予算な映画。だが、中身は濃い。物語は団地で起こる。張り込み中場所の提供を求めて警察を名乗る男が現れる。。 演技はすばらしい。人間の表情などにスポットがあたっているため、映画というよりはテレビ的なカメラだ。一方で見終わった後、俳優達…

青春の殺人者

舞台は70年代の千葉。成田から船橋と、まさに自分の生活圏内。 これは結果論だ。話の内容は残酷な内容である。一方で大人になりきれない、どこか吹っ切れない殺人者である青年を描く。社会の曲がった部分なども露呈され非常に重い作品。希望も何もない青春。…

帝銀事件 死刑囚

なんのき無しに名作ということで借りた。戦後昭和20年代の社会的事件を基に作られたこの映画は、完璧な昭和初期の時代考証をもとに作られている。 帝銀事件とは帝国銀行椎名町支店で行員12名が毒殺された事件である。犯人は、赤痢の発生を装い関係者が銀行に…

うなぎ

カンヌ映画祭パルムドール受賞なんてのに惹かれて観た。舞台は佐原。今日行っとけばよかったというような美しい風景だった。 さて、話は浮気の現場に遭遇した主人公が妻を殺してしまうところから始まる。8年の刑期を経て保護観察で佐原に住む。表題のうなぎ…

異常者

また映画をビデオで借りてきて観た。「異常者」を観たんだが、話の内容はネット好きの女性の登場するエロティックサスペンス。主人公がネットを通して知り合った男性に付きまとわれるといった話。 冒頭は塚本晋也監督の映画「六月の蛇」に近いか!?と思い期…

誰も知らない

映画「誰も知らない」を観た。かなり重い話だった。邦画独特の分かりにくさがあるかと思い気合を入れて望んだのだが、話は分かりやすかった。カメラワークが観ているものをナビゲートしてくれた気がする。 話の内容は、母一人子4人と言う家族の話。学校に通…

valid or invalid ?

映画「ガタカ」を観た。 よりによってまたビデオを借りてきて観た。数日前に「無正松の一生」を借りたんだけど、全編画面がノイズで一秒も見れなかった。コレは何? さて、この「ガタカ」、話は近未来における社会を描いたSFもの。この近未来、人の評価にDNA…

Reservoir Dogs

Quentin Tarantino監督の映画「Reservoir Dogs」を先週観た。 ビデオを借りてきてみたのだが。よかった。任侠映画なのだが、監督自身が日本の仁侠映画が好きで良く見ていたらしい。最近の映画「Kill Bill」などはエンタテイメント性が高いと思われるが、この…