ミラーボール

鏡玉。何かを映し出すのだろうが、良くみると、そこに自分が居る。年月はどんどん過ぎる。ガラ空きの新幹線で関西から関東に戻った。700系新幹線だと車内でネットにつながるが、プロバイダがサービス提供してないから駄目。本を読んですごした。関東は風が強い。風の強い国、あずまの国だ。更新が滞っていたが、また再開。少しさらっと書いて、継続に重点を置いてみる予定です。

Rage Against the Machine

Rage Against the Machine

10年ぶりくらいにrage against the machineを良く聴いている。このバンドの魅力は、少し聴き続けたあとにそのノリがリスナーに浸透してくるところだ。いまでこそ、さらにヘビーなバンドが存在するが、すこし違う観点で聴くことをお勧めする。写真は1st。ジャケット写真は合成ではなく真実。

トンネル

頭にこびりついて離れないことが無いだろうか。心にこびりついて離れないことが無いだろうか。毎日の生活の中で常に潜む暗闇。歳をとるにつれポツポツと丸い小さな暗闇は増えてゆくのだろうか。誰もが抱えていることのように思える。真っ白いキャンパスに色が塗られていくと、やがて色の重なり部分は黒くなるのに似ている。突然に10年以上前のことが頭をよぎることが最近ある。朝、道を歩いているときや、電車のつり宣伝を見ているとき。明確なものではないが、印象的な場面がぼんやりと思い浮かぶ。暗闇は残り続ける。最後にはすべて闇で覆いつくされる。どうも早くにそれはやってきそうな気がする。焼かれる、焼かれると思う。火葬を直視したことはあるだろうか。中身が抜けた人は高温で処理されるのだ。今、まわりに居る人はほぼ間違いなく死ぬ。日本に住んでいるかぎり、まず焼かれるのだ。まだ血が通う自分の手を見て、やがては焼かれるのだと思うと、恐怖と共になんて脆いものだろうと思う。やがて先の無いトンネルに入る。今こそトンネルの中だと思うほどに毎日が苦痛であろうとも、先の無いトンネルほどではない。トンネルは最後に取っておくというのも手かもしれない。

多忙は多望か

最近はとても仕事が忙しい。休みの日は昼まで死んだように寝る。最近はこれが続いており、休息すべきときに仕事のことが頭から離れない。実際には離れているのだろうけど若干緊張状態にあるのだ。ストレスがたまってきていると思うし、これで体調を崩すと結局自分にしわ寄せがくるだけ。明日に回していると明日がパンクする。
去年の今ごろは鬱生活を満喫していたことを思い出す。満喫ではなく自己を見失ったような状態だったとも思うが。長期の目標が無くては忙殺されるだけで疲労感のみ後で感じることにはならないだろうか。疑問も感じる。一生懸命やることで全体のバランスが崩れ、心から余暇を楽しんだことがずっと前のことに思える。
忙しいと思うからいけないのかもしれない。全く暇なのだけど自分から忙しくしてしまっているのかもしれない。肩の力を抜いてゆっくりと先のことを考えてみる機会を進んで作らなければどうにもならないのかもしれない。今をがんばることで先を見ないようにしているのかもしれない。実は先が無いのにそれから目をそらしているのかもしれない。
不況感はどんどんますばかり。広告が少なくなったと都心のビル街を歩いていると思う。これから退職を勧められる機会が来るかもしれない。最大の防御は攻撃だとはいうものの、毎日をこなすのがやっとだと思う。能力が無いことを従事時間で補うしかないのかもしれないと思うし、自分に集中力が無いとも思う。考える時間を増やすことが大切だ。どれほど考えが詰まっているかが良い結果を得ることにつながる。でも、考えることは疲れることだ。これを読んでいる人に、うまくいかなくて大声をあげてしまいたくなったことはないだろうか。もう声が枯れてしまいそうなのだ。

STARTING OVER

STARTING OVER

本作の「俺たちの明日」を「いいなー」と思えるということは、ステレオタイプな人間になっていることを自覚したともいえる。エレカシってこんなにブルースよりだったのかと思える作品。

シークレット・サンシャイン [DVD]

シークレット・サンシャイン [DVD]

個人的には韓国俳優の中でソン・ガンホが一番好きだ。いまのところ。人間味のあふれる演技は、現実的な作品が作品世界が好む自分にぴったりなのだ。本作はとても悲しい作品だ。感動するかどうかは見ている個々人の感性に依存する。ただ、鑑賞しているときは、だれもが深刻な顔つきになってしまうだろうと思う。「密陽」という街。行ってみたくなった。代わり映えのしない街なのだろうけど。傑作だしお勧めの作品。

物欲無いことは異常か。

最近はとても寒く、以前から持っているPコートでは寒さがしのげないと思っていた。もう少し暖かいコートが無いものかと思い、丈の短いものしかないため、今度は長いものを探そうと思っていた。運良く近くの古着屋でバズリクソンズのN-2ジャケットを2万6千円程度で見つけたので欲しいと思っていた。バズリクソンズにしては安く、もともとは8万円はする品だ。軍隊物は絶対に暖かい!と個人的に思っていたので、欲しかった。でも今流行の細身でもなんでもない。欲しい欲しいと思っていたのだが、正月が過ぎて、その欲求も減退してきた。
最近白髪も多くなったので髪のカラーリングに行った。カラーリングをしてもらいながら物欲の話を定員とした。顔なじみの定員で、いつもよくしてもらっている。すると、物欲が無いのは、基本的な欲望が欠如しているのだから、鬱(うつ)の前兆ではないかといわれた。自分は、「いやそんなことはない、いま在る物を工夫して使い、物を長く使い続けることはイギリスでも良いとされていて、少し前にはやったスローライフはここから来ているんだよ」なんて、言ってみようかとおもったが、「鬱」という話に黙ってしまった。
確かに最近はまた希望も何も減退している。あらゆる欲も無く、食欲も少なめだ。メタボには良いが、実は自分自身は標準体重*1に近くそんなに気にする必要もないのだが。ますます、今後どうして行くのかに不安があり、自分は見失う気もしているのだ。年齢を重ねるに従い結婚する気も無いし、孤立感を深める。だが、孤立もそういう人生なのだと思えば、そうなのだろう。仕事はやけに忙しいし、充実はしているのだろうけど、目標も考えていない。普通なのだろうけど、あせりもある。さて、どうしようかと思うが、日々の疲れで寝ることを優先し、考えようとしない。そんな毎日に問題があるのかもしれない。

雨月物語 [DVD]

雨月物語 [DVD]

当時の大映の自信作、雨月物語。話の内容はファンタジーなのだが、よくできている。個人的には京マチ子が好きなのだが、実際にこんな人がいると、少し困ってしまうだろう。最後のナレーションは少し冗長だと思うが、推奨。

*1:BMIが22に近い。。

食逃げ?(完結編)

転院は男が戻ってくるのを確かめると、店内にもどってきた。少し遅れて男がもどってきた。男は自転車を店の出入り口の1つ目のドアと2つ目のドアの間に止めた。のそのそと2つ目のドアを開けてレジの前にたった。
「まだ、お会計がお済みでないので、お願いします。○○○円です。」
「○○○円ね、払うの忘れてたよ。すこし待ってね。」
男は少し大きい外套のポケットへ無造作に手をつっこんで小銭を探していた。ようやく見つけたらしく、店員に差出した。定員はレジ打ちをはじめる。すると突然カウンターに座っている別の客をめがけてどなった。
「なにみてんだよ。じろじろみるなよ、おっさん。」
怒鳴られた方は、怒鳴った男より若いと思うのだが。。店内に響き渡る声だった。定員は何もなかったかのようにおつりを出す。
そうかといううちに自分も食事を終えたので、2台あるレジのもう片方に向かう。支払いを済ませ先に店を出る。店の外の灰皿があるあたりで一服をした。
すると男が自転車を押して店を出てきた。小雨が降る中で傘を開けて進もうとしていた。すると後から出てきた親子ずれのお母さんが、
「おじさん、自転車のサドル無いけど大丈夫なの?」
「大丈夫だよー。大丈夫だよー。」
すると男はサドルに力を入れてすごいスピードでヨタヨタしながら自転車を進める。片手に傘を持ち、サドルが無いのであるから当然だ。40mぐらい行ったところで、自転車を降りるのが見えた。何とか体制を立て直し、またこぎ始めた。ぐんぐんを店を遠ざかっていった。(終わり)

食逃げ?(中編)

そうこうしているうちに、注文の品が届き、食べ始めた。まばらにカウンターに座っている人たちもガツガツと食べている。昨今の冷え込みと年末の寂しさとは異なり、ここではカロリー摂取に必死なのだ。
気がつくとこちらをじろじろ見ていた男は外に出て自転車に乗り店前の駐車場を進み始めていた。時折振り向きながら雨の中、傘を右手に持っていた。最近良く見かける車輪の小さな自転車を蛇行しながらゆっくりと進み始めていた。
するとこれを見た女性店員が店内から駐車場に出て行き、「お客さーん!」と呼ぶ。すると、この男は自転車の向きを変え店に戻ってきた。

(次回に続く)

糖尿病の話 (ちくま新書)

糖尿病の話 (ちくま新書)

病理学的な観点から平易に説明した糖尿病の話。病気そのものの分類、発症原因、合併症の仕組みなどを説明した上で、予防・治療などにも言及する。筆者の主張は糖尿病そのものは現在(発刊当時)の技術では治癒できるものではなく、本来的には発症メカニズムが解明された上で予防・治療法を検討すべきなのだが、罹患者数が膨大であることからまずわかっている範囲で予防・治療を進めるべきとしている。現実問題そうなのだが、実のところ発症メカニズムは説が複数在る状態で、その遺伝的要因も無視できないことから、糖尿病を厳密に生活習慣のみによるものとは断定できないことを示唆している。ブドウ糖をエネルギーに変換するメカニズム、インスリンを分泌する膵臓のランゲルハンス島のβ細胞の解説、細小血管細胞の血管壁の梗塞メカニズムなど、非常に詳細でわかりやすい。ただ、『糖尿病食事療法のための食品交換表』(日本糖尿病学会編)が手元にないと読めない部分もあるので改善してもらいたい。推奨。

食逃げ?(初編)

そもそも、こんな機会に巡り合うとは思わなかった。と書くと、何か面白そうなことでも在ったのかと思われるかもしれない。食逃げに遭遇したのだ。
先週末に牛丼屋で早い昼食をとろうと、店に入った。注文のためにメニューをとってふと斜め前を見ると店のカウンター越しに、カウンターの中の店員を見る男がいた。男は色付レンズの眼鏡をかけ、ビニール製のポンチョを羽織、もう食事が済んだようで荷物をまとめているようだった。そう、彼はみせの窓際にある満員時の客を座らせる椅子に、自分の荷物を置いて突っ立っていたのだ。
(次回に続く)

経済データの読み方 新版 (岩波新書)

経済データの読み方 新版 (岩波新書)

まず、ことわっておかなくてはならない。写真は最近刷新された新版だが、読んだのは1985年に発刊された旧版(黄色版)だ。戦後から1985年までの日本経済の動きを2回のオイルショックを中心に経済データの読み方として解説している。著者があとがきに記すとおり、本書は技能的な「データの読み方」の説明に終始するのではなく、当時の政策(財政政策、金融政策等)について批評を加えている。これが本書の特徴だ。経済にはさまざまな視点がある。たとえば、財政、金融、国民生活、物価、労働や貿易が挙げられる。本書では、これらのデータについて主に時系列のデータ分析を行っている。また、部分的に国際比較や、同様の目的で計測され出所の異なる資料の比較が行われている。批評が少し過ぎるところもあるが、読み手には面白い。とりわけケインズ経済学の終焉としてサプライサイド経済学の登場を取り上げているところなど、その表現が面白い。一方で、読者は少なくともマクロ経済学の知識が無ければ理解が難しいところがある。スタグフレーション、クラウディングアウトなど、長いカタカナ言葉は説明が加えられているが、難しさは言葉ではなく、生き物のような経済全体の動きの説明にある。新版は最近発刊されたばかりだ。期待して読みたい。