通り過ぎる人
仕事に出かけると色々な人とすれちがう。人通りの中、一生に一度しかすれ違わないひともいる。人ごみを通過する場合は、とても多くの人とすれ違う。わからない。一度は会ったことがあるのかもしれないけど、ひたすらにすれ違っている。周りの人からしても自分はすれ違う人の一人。興味の無い個体として存在する。干渉しないことにより成り立っているこの世界が不思議でもある。
森鴎外原作。家族とは何かを問う作品と書きたいが、社会へのアンチテーゼ的なアプローチも斟酌できる。観るものに応じた世界を描く名作。
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2008/08/22
- メディア: DVD
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暑い。
電車の中でアルゼンチン人がうるさかった。小太りの男3人が大声で話している。実はうるさいのだけど、決して気分を害されたわけではない。心地よいくらいだった。最近は電車の中でヘンな人々を見かける。先日は満員電車の中で三十代前半の姉と二十代後半の妹とかと思える2人が、お互いの胴体をつかみ合って電車で見詰め合って話していた。これもみんな暑いせいかもしれない。
やっと手にして聴いた。前から聴きたかった。サンタナが伴奏するto zionはローリンの息子の名前らしい。全曲珠玉。女性の低音のVoはすばらしい。The Miseducation of Lauryn Hill
- アーティスト: Lauryn Hill
- 出版社/メーカー: Sony Mid-Price
- 発売日: 1998/08/27
- メディア: CD
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はじめて聴いたのは高校生の時。当時オルタナティブがブームで、そのルーツとして雑誌に取り上げられていたのが本作。ニューヨークパンクを代表する作品である。はじめて聴いたときも今も、どの曲も金太郎飴のようにワンパターンに聞こえる。年間200回以上のライブを何年も続けてきたみたいだから、すごいの一言。存在もユニークだ。他に無いと思う。一度は聴くことを推奨する。もしハマッタとしたら、その後どうなるかは全くわからない。得に巷でよく見かける当バンド名が書いてあるTシャツを着ている人には聴いて欲しい。金太郎だ。
- アーティスト: RAMONES
- 出版社/メーカー: WEA
- 発売日: 2004/06/01
- メディア: CD
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9月のはじまり
久しぶりにPCのディスプレイを買い換えた。19インチの横長タイプだ。以前から15インチを使い続けていたので、少し横に大きくなった。デスクトップPCを安価で使っている。ノートPCとの違いといえば大きいディスプレイを選択できることぐらいか。以前はデスクトップの方がCPUの性能が良かったのだが、いまではそうでもないようだ。ところで、最近は、以前に比べ少し涼しくなった。今日は久しぶりに会社都合の休日だ。昨日は1:30まで仕事だったので、「休む」ことがメインだった。所得が低く仕事は忙しい。この構図はいつまでつづくのだろうか。
本作は、何度も映画化された脚本を元にしている。原作は『地球最後の男』と言う作品。この世で最後の人間と思えるような予告編を観て「購入」した。はじめは面白かったが、ストーリに説明不足なところがあり少し疑問がのこる。後半はとってつけたような展開。映像は凄いが。よかったのはフォードのムスタングをニューヨークを疾走するシーンくらいか。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
- 発売日: 2008/12/10
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友人から薦められて聴いた。結構よかった。最近知ったがVoは夭折していた。少し重く感じている。
- アーティスト: フィッシュマンズ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
- 発売日: 2005/04/21
- メディア: CD
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北東北から北海道にかけての昭和50年代の風景をバックに物語は展開される。ロケがこの年代であるが、時代設定は昭和初期である。主人公の高橋竹山は津軽三味線で有名な方のようだ。物悲しい三味線の音楽と寒い日本の風景が交錯する。凄い作品だ。ただ、竹山のお母さんは進出鬼没。母子愛といわれてもこれは少し煩い。林隆三の演技もprimitiveで良い。推奨。
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/09/10
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塚本信也監督作品。この監督が好きでよくみることは以前から書いているが、ややともするとグロテスクなものが多く観るものを選ぶ。本作も解剖学実習を主体に映画を組み立てているので、すこしグロい。話の展開は激しくはないが、斬新なカメラワークや妙な雰囲気はこの監督ならでは。ファン向け。
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 2005/06/24
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いままで紹介していないと思う。後作ではもう少し南部音楽に傾倒するが、本作はマンチェスターブームと呼ばれるハッピーマンデーズやストーンローゼスの雰囲気に近いもの。とはいえ、後作の予兆を感じさせるところもある。傑作揃いで、ダンスミュージックがそんなに好きでなくとも聴ける。推奨。
- アーティスト: Primal Scream
- 出版社/メーカー: Creation
- 発売日: 1997/08/11
- メディア: CD
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単に長い作品だったので、読破できなくていた。読んだ。クレジットカード地獄の作品。サブプライムローンで金融不安が起こったのは今年の前半の大きなトピックスであったが、本作も主題はこれに深く関連する。背筋が凍る作品である。推奨。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/01/30
- メディア: 文庫
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寝つきが悪い場合にはどうすればよいのかなど、健康ブームにおける虚構と現実を専門家へのヒアリングで構成する作品。最後に健康寿命の話がでてくる。平均寿命が長くなるよりも健康寿命が長くなるスピードをあげる必要があるとのこと。PPK(ピンピンコロリ)なんかに興味があるかたはどうぞ。作品としては内容の性質上、雑把な印象が否めない。
- 作者: 飯島裕一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/03/19
- メディア: 新書
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音楽仲間
久しぶりに昔のバンドメンバーと会った。また、バンドをやろうという話に。
個人的には演奏を合わせてみる位ならとの気持ちで、軽く引き受けた。以前とは状況も変わり忙しくもあるし、なかなか日々の練習の時間をとることが困難だ。
一方でやはり演奏は楽しい。ギターやベースを触っているのは普段とは別の感覚がある。楽器全般が好きなのはなぜだろうか。昔から続く祭りのお囃子のようなもので、イベント好きなのだろうか。リズムや音程と言うのは自然界が織り成す不思議なものだ。動物には鼓動があるし、様々な音程の声を発することで威嚇や求愛を行う。
複数の人が集まって演奏することは、その音の整合が奏でる一体感の共有をその演奏者が感じるものだ。音楽を聴くのみでも、自分自身の中の音と整合を奏でているのではないか。演奏することでより明確化される行為を楽しいと思えるのは自然なことだ。にもかかわらず、人が織り成す共同作業であることに、一定水準を暗に求められることの重さが圧し掛かる。
塚本晋也監督は好きなので良く観てきた。にもかかわらず、いままでその存在を知らなかった作品が本作だ。テンポ良く視聴者の恐怖を煽るホラーだ。一方で、残虐なシーンの度が過ぎている。これは「鉄男」の流れを汲むものかもしれないが、リアリズムの方向が偏っているような気がする。
- 出版社/メーカー: ハピネット
- 発売日: 2007/06/22
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標題曲はすばらしい。この時代の音楽を代表するところがあるが、歌詞というのはこれほどにリアリズムを表現できるものかと思う。真実に自分の意見を組み合わせて主張することは、きわめて単純な作業だが難しい。推奨。
- アーティスト: 尾崎豊
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1991/05/15
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以前「桜の木の下」を紹介したが、本作も曲は凄い。aikoは10年ほど前に良く聴いた。小さな軽自動車を運転しながら、複数のアルバムから作ったテープを聴いていた。すっかり夏らしくなった今の季節に良いと思う。曲と歌詞がぴったりだ。
- アーティスト: aiko,島田昌典
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2005/06/29
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高校時代に良く聴いた。個人的にはSEX PISTOLSより前に知り、パンクはこんなに曲のバリエーションが広いものなんだと思った。曲もビートルズぐらいに凄いものが多い。相当にカッコ良いので、不良少年に指示されたのではないだろうか。名盤。
- アーティスト: The Clash
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2000/01/27
- メディア: CD
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時間差
久しぶりに茨城時代の友人達に会った。余り変わった印象は無かったが、それぞれが様々な経験をしていた。昔の話はやはり面白い。もう随分前のことであるのに、つい先ほどの出来事のように思えた。10年後、死の直前も思い出すのだろうか。もし忘れているなら、忘れたことを容易く受け入れるだろう。忘れたことを認識できないからだ。会えたのは幸運だ。昔があって今があるのを認識できるからだ。一方で限りがあることに物悲しさを感じた。
社会との接触が少ないことで珠玉混合の情報から身を守ることができる。過保護な世界からの開放とともに、性欲の発散を知りそれを生きることの支えとする。生存する意味までを問う本作は非常に重厚だ。海外事例もあわせて考察する傑作。
- 作者: 河合香織
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/10/30
- メディア: 文庫
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がんが転移性のものであれば、がん早期発見時にはすでに転移は起こっている。EBMの中でもとりわけevidence levelが高いとされるくじ引き試験による結果を豊富に交え、そもそも病気というのは自然現象なのだから、治癒を積極的に目指すのではなく、残りの人生をいかに幸せに暮らすかが重要と説く。恐怖すら感じる作品。推奨。
- 作者: 近藤誠
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/12/08
- メディア: 文庫
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